ヘーベルハウス防水工事施工事例(千葉県市川市)腰壁ベランダ 塩ビシート防水

今回は、2024年度に工事依頼をいただきました千葉県市川市の旭化成ヘーベルハウス腰壁ベランダの施工を紹介させていただきます。

株式会社翔和とヘーベルハウス

その前に少しだけ弊社(当時・個人事業主/佐藤防水・現・株式会社翔和社長 佐藤 敦は、2005年から旭化成リフォーム(防水リプレイス)専門業者として活動させていただいておりました。

2017年・株式会社翔和設立までの間、役12年間ヘーベルハウス専門の職人として数多くの現場の屋根・ベランダ防水工事を改修工事させていただきました。

ヘーベルハウスの防水工事は、一般のマンションなどの防水工事とは全く別物で様々な建物タイプや年式など種類が多くそれにより下地構造や使用する材料なども変わってくるため

初めは、旭化成リフォームの技術講習や学科講習を受け続ける日々でした。

技術・知識共に非常にレベルの高いものを必要とされ(佐藤)はありがたい事に、当時全国的に活動されていた(防水学校校長)に直接指導していただく事となりました。

当時は、ヘーベルハウス専門の職人が少なく皆レベルの高い技術と知識に挫折し途中で諦めてしまう人が多く100人に1人残れば良いほうといわれるくらい

職人の世界ではあり得ないほどに、ハードルが高く厳しいものでした。

(佐藤)も途中で何度もあきらめかけた事もあったようですが、日が経つにつれ技術・知識共に自分のものにでき現場でも(防水学校校長)指導のもと作業させていただき

経験を積んでいきました。

次第に一緒にはじめた仲間が何人も辞めていくなか(佐藤)は(防水学校校長の最終認定試験)を受けさせていただけるまでに成長し、見事に合格することができました。

その後、数多くの工事をこなしていくこととなりました。

そして、2017年に旭化成リフォーム専門業者から撤退し株式会社翔和を設立して12年にわたって培ってきた技術と知識でヘーベルハウスはもちろんマンション修繕工事や公共施設工事などを

手掛けて多くの建物の防水工事を行っております。

少し話が長くなってしまいましたが、結論ヘーベルハウスの防水工事は誰でも施工が可能なわけではありません。

過去にも専門業者以外に施工をお願いして、2~3年で不具合が生じて漏水したお客様は数多くいらっしゃいます。

ですから上記で話したように特殊な技術と知識が必要な建物だという事をお伝えしたかったのです。

 

それでは、本題に入りたいと思います。

今回お話させていただくのは、2024年度に弊社ホームページよりご依頼いただきました旭化成ヘーベルハウス、建物は本棟タイプ腰壁ベランダ部の

防水工事の施工紹介となります。

工事をするにあたって、ヘーベルハウス純正材料は今の弊社には入手することができないため今回はマンション屋根たど大規模修繕などにも多く使用されている

塩ビシート防水専門メーカー、アーキヤマデ株式会社の材料にて施工させていただきました。

もちろん純正材料ではありませんので、金物の形状や長さ・角度はすべて特注品となります。それができるのも㈱翔和の強みでもあり

長年培ってきた知識と経験と何より建物構造を熟知しているからできるのです。

知識がないまま特注品を作成しても建物下地にあわずでは意味がありません、ですからしっかりと形状もフィットして固定ビスも打つべき場所に

打つべき種類や長さのもの選定しなければなりません。そうでなければ現代の過酷な自然現象に耐えうる防水層は作れないのです。

1.高圧洗浄

 

 

まず初めは基本的な高圧洗浄から、どんな外装工事でも長期間溜まっていた汚れの上からそのまま工事することは考えられませんよね

塩ビシート防水の機械式固定工法は既存下地に防水テープなどを貼り付ける工程などもあるので汚れた下地ではテープのりが付かず施工不良となってしまう可能性もあります

ですから㈱翔和では、施工前に高圧洗浄で徹底的に汚れを洗いながしてから施工に入ります。この時人工芝などの敷材があった場合にはそれも同様に洗浄し新規防水層を汚さないようにします

あと今回の工事は2階部分で安全面的にも不安要素が少なかったため足場の設置はせずに、梯子と脚立を使用して昇降作業を行いました。

㈱翔和では安全第一は当然ですが、すべての現場で何が何でも足場を設置しないと作業しないかというとそうではありません

安全上問題が極めて少なくお客様と相談させていただいた上で梯子での作業を行うことがあります

不要な足場を設置してお客様から無駄な予算をいただくよりは、少しでもお安くあるいは少しでも商品のグレードアップに予算を使用したいと考えています

   

 

 

次に外周立上り端末部と入隅部分に塩ビ鋼板を固定していきます。その際下地と塩ビ鋼板の間にブチルゴム定形シールテープを貼っていきます

密閉性を向上させると同時に万が一後に経年劣化により端末部分などから雨水が侵入しても、こちらの処理を行っていれば平場部分への雨水の侵入を防止できるというものです。(純正仕様も同様)

塩ビ鋼板は下地構造を考えできる限り(旭化成純正仕様)に近い形状を特注品にて発注し仕上がった際の美観と性能を向上させるように施工させていただいております

固定用ビスも下地にあわせて長さや形状を選定しているためしっかりと下地に固定できるのです

塩ビシート防水の機械式固定工法にとって塩ビ鋼板固定は非常に大事な工程となり、車に例えるのであればフレーム部分のようなものでいわば骨組みです

この部分をしっかりと作っていかなければ、その後どんなに良いエンジンやタイヤを取り付けても本来の性能は発揮できず耐久性は低下しいずれ壊れてしまいます

塩ビシート防水の機械式固定工法も同様で塩ビ鋼板をしっかりと固定しなければその後どんなに、グレードの高い塩ビシートを張っても本来の性能は発揮されず

地震時の建物の揺れや、台風などの暴風、豪雨に耐えきれず剥がれや破断に繋がり最悪の場合、漏水してしまいます

特に上記のような細かい作業の部分は、施工が仕上がってしまうと見えなくなってしまう事もありお客様が確認しようがなく数年後不具合が生じて

初めて気が付くケースが非常に多く『他業者に工事してもらい数年しか経過していないのに雨漏りして困っています』といった問合せが多く

その中で最も多くの原因となっているのが、塩ビ鋼板の固定が悪くビスが抜けてしまっていて塩ビ鋼板が完全に下地から浮いてしまい

それが原因で、素地(ヘーベル版)が露出してしまったり、塩ビシートが収縮に耐えきれず切れてしまうなどの理由で雨漏りしているケースが多数報告されています

←(過去事例)

上記の写真は過去の事例です、下地のモルタルは酷く割れていてそのモルタルに固定されていた塩ビ鋼板のビスは全て抜けていて

塩ビシートが完全に浮上って破断していました。破断した隙間から雨水が侵入して広範囲に漏水している状態でした

塩ビシート防水は基本テンション(引っ張り)をかけて張っていくため、四季の気温変化によって塩ビシートが伸縮し

平場入隅部分などには非常に大きな力がかかるため、適切でない場所にドリルで穴をあけたり、ビスを固定してしまうと

その部分に力が加わり塩ビシートが伸縮する度に動きが生じて、通常負担が大きくかかるはずのない強度の弱い部分は

破損してしまい不具合が生じてしまうのです。

 

 

次に固定した塩ビ鋼板に塩ビシートを溶着剤と熱風ガンをしようして張っていきます。

この時溶着幅は40~50mmとしてシワやたるみのないように張ります入隅角もステッチャーローラーなどを使用して

しっかりと熱融着してきれいに角だしを行います。

その後端末目地部分に、マスキングテープ養生→プライマー塗布処理を行いシーリングを充填していきます

※外壁塗装なども同時施工の場合・シーリング材の上に塗装などする場合は、ポリウレタン系シールが良いと思います。

※外壁塗装などは行わず防水のみ施工しシーリング材が露出する場合は、変成シリコン系のシール材を使用します。

注意 ホームセンターなどで比較的安価で販売されている「シリコン系」シール材の充填は基本的にNGです

シリコン系シール材は、内装の浴室や水回り、野外ではガラス周りなどで使用します。

シリコン系シールは、耐候性や柔軟性には優れていますが密着しづらいというデメリットがあり使用する場所を間違えてしまうと

すぐに剥がれてしまいます。 しかもその後、変成シリコン系シールを充填しようとしても一度下地に付着したシリコン系シールが

密着性を妨げてしまい新規シール材が密着しなくなってしまうことがあるので、十分に注意が必要です。

 

次の工程ですが、ここで旭化成純正仕様と㈱翔和+使用材料メーカー(アーキヤマデ㈱)仕様との大きな違いです。

通常、旭化成純正仕様では「ベランダ」とされる箇所の平場面にはディスク板を設置しない(年式と一部仕様除く)のですが

㈱翔和(アーキヤマデ㈱)仕様では、ベランダ幅1000mm以上の場合にはディスク板を設置させていただいております。(例外あり)

理由として、まずメーカーアーキヤマデ㈱の仕様に準じて施工をおこなっている事と、近年温暖化の影響もあり

規格外の台風などでひと昔前では考えられないような暴風がふくこともあり

海岸沿い地域などでは、瓦屋根が飛ばされたというニュースなどをよく耳にするようになり

2階建てなどのベランダなども例外ではないということもあり、お客様にご説明させていただきご理解いただいた上で

ディスク板を設置させていただいております。

メリットとしては暴風などでも安心できるという点がありますが、もちろんデメリットもあり

ベランダ内に丸い円盤のようなものが設置されているため美観はもちろん歩行した際に気になる方もいらっしゃると思います

なので十分に打合わせさせていただいた上で決めさせていただいております

 

 

次に塩ビシートを水下側から順番に張っていき、塩ビシート重ね幅40~50mmとし相互を溶着していきます

この時シワやたるみのないようにテンションをかけつつ張っていきます。

 

 

その後、下地にあらかじめ固定したディスク板と塩ビシートを誘導加熱器を使用して接合していきます。

純正仕様と異なり、注射器で塩ビシートに穴をあけてディスク板に直接溶着剤を注入して接合していく仕様とは違い

アーキヤマデ㈱ではIHディスク板に専用の誘導加熱装置を使用することにより穴をあけずに塩ビシートに熱を加えて接合する仕様となって

いるため穴を埋め忘れたなどというリスクもなく安心で確実な施工をお客様に提供できています。

 

 

塩ビシート小口部分にジョイントシール(FLシール)を充填して塩ビシート工事は完了となります。

その後弊社にて自主検査をおこない不備がないことを確認し、お客様に施工説明しながら仕上がりを確認していただきました。

お客様検査後に、人工芝を復旧してすべての工事が完了となります。

これで、今回の施工事例紹介は以上となります。

旭化成ヘーベルハウス防水工事でお困りの方がいらっしゃいましたら、江戸川区株式会社翔和までご連絡ください。

ホームページにて過去の施工事例やYouTubeにて施工動画も配信していますのでご興味もっていただけたら

まずお問い合わせください。 無料にて現地調査からお見積りまでださせていただきます。

 

投稿者 株式会社翔和  佐藤

ページ上部へ