新築のころは綺麗でも、年月とともに目立ち始めるのが外壁の色あせです。古くなったような印象になってしまいます。自宅の色あせに気付いても、「塗り直すのも面倒だし、見た目が悪くなるだけならこのままでもいいや…」と思っている人もいらっしゃるかと思います。実は、外壁の色褪せは塗装が劣化し始めたサインであり、放置していると住宅全体に悪影響を及ぼします。今回のブログでは、外壁が色褪せる仕組みや、色褪せを放置することによってどんな悪影響があるのか、色褪せしやすい色・しにくい色などをご紹介できればと思います🙌
色褪せの原因
1.紫外線による色素の顔料の劣化
外壁は紫外線エネルギーを浴び続けることで劣化し、色褪せを起こします。 世の中にある物質は、すべて複数の原子の組み合わせで表されています。塗料の色を構成する顔料も、原子の組み合わせでさまざまな色を表現していますが、色を構成する顔料の原子が、紫外線エネルギーによって破壊され、色味が変わってあせてしまうのです。 そのため、日当たりの良い南面だけ色褪せた気がする、という方は特に、この紫外線エネルギーによる色素の劣化が考えられます。 よく本や雑誌でも、窓際に置いておくと日焼けしてしまうことがあったかと思います。 色の原子にも光に強い・弱いがあり、それによって色褪せしやすい・しにくいという差はありますが、紫外線に強くなるように工夫されている塗料もありますが、年月が経てばダメージが蓄積され、次第に色褪せてしまいます。
2.化学変化による変質
化学変化で身近なモノといえば酸化です。よく見られる鉄の錆は鉄の酸化であって、それに伴い、鉄は酸化鉄という別の物質になり、色も赤(赤錆)や黒(黒錆)へと変化します。化学変化に伴い、色も変化するわけですから、これまでとは違った色に変わるのは当然です。化学変化は酸素や水によって引き起こされますが、熱によっても促進されます。日光によって届けられる熱も化学変化を一部、促進させているのです。変質することで本来の色合いとは変わってしまい、汚れを落としても変色したままになってしまいます。
3.施工ミスによる変質
外壁が色褪せる原因は、もしかしたら前施工業者にあるかもしれません。塗料を塗る際は、下塗り・中塗り・上塗りの順に塗りますが、塗料が完全に乾く前に重ね塗りすると余計な水分が含まれるため、劣化が早く進んで色褪せてしまうのです。 他にも、業者の管理がずさんで塗料が古かったなど、さまざまな施工ミスから塗料の劣化が促進されてしまいます。 業者のミスの場合は、他の色褪せとは違い、部分的に色褪せることがあります。”同じ場所なのに左右で色あせ具合が違う”など、不自然な色褪せは業者の施工ミスの可能性が出てきます。
色褪せしやすい色ランキング🙅♂️
1位.赤
2位.黄
3位.緑
4位.紫
1位.赤
赤は一番色褪せしやすい色です。 耐光性(光に対する耐性)が高くなく、また原色系で鮮やかなので、色褪せしやすく目立ちやすいです。 鮮やかな色を保つためには小まめな塗り替えが必要で、赤い建物として有名な東京タワーも、5年に1度は塗装をしています。
2位.黄
黄色は色褪せが早く起こりやすいと言われています。赤色と黄色の共通点はどの顔料であっても、窒素元素同士が結合している部分が多く、それが紫外線によって切断されてしまうため、他の色よりも褪色が早いです。
3位.緑
緑は光の三原色であるRGBの原色で、発色も良く鮮やかなので最近人気ですが、色褪せはしやすいです。 明るめで濃い緑を使うと、更に鮮やかさが失われた度合いが分かりやすいため、色褪せたと感じることが多いです。
4位.紫
自動車業界では赤の次に褪色しやすいと言われている。紫と言っても、それが赤みの多い紫なのか、青みの多い紫なのかで、当然、色褪せの進行度も違ってくる。もちろん、赤みの多い紫の方が褪色の進行は早いです。なかなか個性が強い色なので、やりたい方は限られてはいますが、店舗のイメージカラーであるなど重要な理由がない限り、紫も避けた方が無難です。
色褪せしにくい色ランキング🙆♂️
1位.白
2位.黒
3位.青
1位.白
顔料として使われる酸化チタンは無機顔料なので、色素の結合を切断されにくく、化学変化も起こりにくいです。しかし、汚れが目立ちやすいという弱点もある。 また、白が外壁塗装で長寿命かというと、※ある理由からそうではないのです。
2位.黒
顔料の原料であるカーボンブラックは非常に強固な炭素結合を誇り、光に分解されないという性質を持っています。こちらも汚れが目立ちやすいという弱点を抱えているだけでなく、ピアノブラックなどの艶有りでは光沢とセットになっているため、艶がなくなってしまうと、一気に色褪せたように見えてしまいます。
3位.青
原色系の色ではありますが、光を反射しやすく紫外線の影響を受けにくい特性があるためです。 道路標識なども劣化すると、赤い部分は色あせていくのに対し、青い部分は比較的発色がまだよく残っていることがあります。
💡色褪せしにくい色は、永い間発色が良く、古びた印象が出にくいメリットがあります。 その半面、汚れが目立ちやすいこともあるため、小まめに掃除ができるかもポイントです。
※汚れやすい以外で白色が外壁塗装に向かない理由
顔料に使われている酸化チタンが塗膜を破壊してしまうからです💦酸化チタン自体は無機で変質はしないのですが、触媒としての性質を持っていて、光に当たると塗膜を破壊するラジカルを発生してしまいます。この触媒としての性質をうまく理由したのが光触媒塗料で、こちらは汚れを分解してくれます。破壊されていないツルツルの塗膜とラジカルで破壊されたザラザラの塗膜、どちらが色褪せて見えるかは皆さんもお分かりになると思います。最近ではこのラジカルを発生させないよう、ラジカル制御型の塗料も流通しています。この酸化チタン、白色の塗料のみに含まれているわけではなく、発色性を良くしたり、色褪せを抑えるために他の色にも配合されています。残念ながら塗膜の破壊が白色のみに起こりえるということではありません。
※汚れやすい以外で黒色が外壁塗料に向かない理由
艶は黒色の色素と別物でカーボンブラックは温度が上がりやすいからです💦艶なしのマットな仕上がりがお好みであれば問題はないのですが、高級感溢れる黒色というとどうしても光沢や艶とセットで語られてしまいます。黒の色素と光沢の元となる材料は全くの別物なのです。黒色の顔料の耐光性は高いのですが、光沢と艶の顔料はそこまで耐久性はありません。黒色の顔料が変化しなくても、艶が引けてしまえば色褪せて見えてしまいます。また、カーボンブラックは熱の元となる赤外線をものすごく吸収しやすく、温度の上昇も他の色より高くなってしまいます。温度の上昇は化学変化を早めるため、色褪せや塗膜の劣化も促進してしまいます。
塗り替え時期に関しては5月頃に書いたブログ←に記載してありますので、ご参考にしてください🙋♂️🙋♂️
ご自宅の外壁が色褪せてきたら・・・
外壁の色褪せは、経年劣化が主な原因です。紫外線や雨による化学変化など理由は複数ありますが、総じて長い年月を経て劣化していきます。色あせを予防したい場合には、塗料の種類や色に気を配るのがオススメになります。
ただし、劣化を遅らせる事はできても完全に止めることはできないため、定期的なメンテナンスが必要です。また、施工ミスも色あせの原因の1つになるため、大事なマイホームを守るためにも弊社までご連絡ください。
弊社では、無料での診断・お見積もりをさせていただいております💡
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