屋根は、建物を雨や紫外線から守る重要な部分ですが、経年劣化によって防水性が低下すると雨漏りの原因になります。
そのため、定期的な防水塗装が欠かせません。
屋根には勾配屋根と陸屋根があり、それぞれに適した塗料や工法が異なります。
特に、陸屋根や屋上は水が溜まりやすく、防水塗装の役割が大きい場所です。
この記事では、屋根の種類ごとの特徴を踏まえながら、防水塗料の種類や寿命、費用相場について解説します。
DIYの可否についても説明するので、ぜひ参考にして下さい。
主な屋根の種類|勾配屋根と陸屋根の違い

屋根には大きく分けて、勾配屋根と陸屋根があり、それぞれ構造や必要なメンテナンス方法が異なります。
- 勾配屋根(スレート・トタンなど)の特徴と塗装メンテナンス
- 陸屋根(フラット屋根)の特徴と防水リスク
順にみていきましょう。
勾配屋根(スレート・トタンなど)の特徴と塗装メンテナンス
勾配屋根は、傾斜があるため雨水が自然に流れ落ちやすく、雨漏りリスクが比較的低いのが特徴です。
スレートやトタンなど軽量素材が多く使われ、施工コストを抑えられる点も魅力です。
ただし、表面塗膜は紫外線や風雨で徐々に劣化し、放置すればひび割れや錆びが進行します。
そこで、定期的な屋根塗装による防水性の維持が重要です。
塗装は美観を保つだけでなく、屋根材の寿命を延ばす役割も果たします。
一般的には10年前後が塗り替えの目安とされ、定期点検と適切なタイミングでの再塗装が建物を守る鍵となります。
陸屋根(フラット屋根)の特徴と防水リスク
陸屋根は、傾斜がほとんどないため、デザイン性が高く屋上利用が可能というメリットがあります。
しかし、雨水が流れにくく排水口に集中する構造上、劣化や詰まりが起こると水が溜まりやすくなり、雨漏りリスクが高まります。
さらに塗装だけでは防水層を形成できないため、ウレタン防水やFRP防水などの「防水工事」が必須です。
防水層が劣化すると短期間で漏水につながるため、5年ごとの点検と10年前後での補修を目安にした管理が必要です。
陸屋根の特性を理解しておくことが、効果的なメンテナンス計画につながります。
陸屋根に関するより詳しい情報は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】陸屋根で後悔しないためには?メリット・デメリットを知って適切な対処をしよう!
勾配屋根と陸屋根で異なる「防水塗料」の意味

「防水塗料」と一口に言っても、勾配屋根と陸屋根ではその役割や工事内容が大きく異なります。
自宅の屋根の構造に合った塗料や工法の理解が、効果的なメンテナンスの第一歩です。
- 勾配屋根で使われる屋根塗料(防水効果は限定的)
- 陸屋根で使われる防水塗料(=防水工事の中の塗布防水)
順に解説します。
勾配屋根で使われる屋根塗料(防水効果は限定的)
勾配屋根に用いられる屋根塗料は、雨水を完全に遮断するものではありません。
スレートやトタンなどの屋根材を紫外線や風雨から守り、防水性を補強する役割を持っています。
つまり「屋根材の劣化を防ぐための塗装」であり、完全防水工事とは異なります。
塗装を定期的におこなうことで、ひび割れや錆の進行を抑え、雨漏りリスクを軽減できますが、根本的な防水層を形成するわけではありません。
そのため「防水塗料」と呼ばれていても、あくまで補助的な位置づけと理解しておく必要があります。
陸屋根で使われる防水塗料(=防水工事の中の塗布防水)
陸屋根の場合「防水塗料」とは、防水工事の一種である塗布防水を指します。
液状の防水材を塗り重ねて膜を形成し、雨水の浸入を防ぐ仕組みです。
代表的なのはウレタン防水やFRP防水で、複雑な形状にも対応でき、施工性に優れています。
防水工事には「シート防水」「アスファルト防水」「塗布防水」の3種類がありますが、一般的に「防水塗装」と呼ばれるのはこの塗布防水です。
つまり陸屋根における防水塗料は、勾配屋根の屋根塗装とは異なり、防水層そのものを形成する工事を意味します。
陸屋根・屋上に防水塗料が必要な理由

陸屋根や屋上は、水はけが悪く、雨水が滞留しやすい構造です。
防水塗料を使って防水層を形成しなければ、短期間で雨漏りや劣化が進行してしまいます。
- 雨水が溜まりやすい構造と雨漏りリスク
- 防水塗料でできることとできないこと
順に説明します。
雨水が溜まりやすい構造と雨漏りリスク
陸屋根は勾配がほとんどなく、雨水が自然に流れ落ちにくい構造です。
そのため排水口に水が集中し、落ち葉やゴミが詰まると一気に水が滞留します。
長時間水が溜まることで防水層に負担がかかり、劣化やひび割れを招きやすくなります。
さらに、小さな劣化が雨漏りに直結しやすいのも陸屋根の特徴です。
外観は一見きれいでも、内部に浸水が進んでいるケースもあるため、定期的な点検と適切な防水対策を欠かさないことが重要です。
防水塗料でできることとできないこと
防水塗料を使った塗布防水は、屋上や陸屋根の表面に連続した防水層を形成し、雨水の浸入を防ぎます。
複雑な形状にも施工できるため、幅広い建物に対応可能です。
ただし、防水塗装を一度おこなえば永続的に雨漏りを防げるわけではありません。
紫外線や風雨で劣化が進むと防水層にひび割れや浮きが発生し、防水性能は低下します。
そのため、防水塗装は「完全防水」ではなく、定期的な点検とトップコートなどのメンテナンスを前提に維持していく必要があります。
陸屋根・屋上防水塗料の種類と特徴

陸屋根や屋上で使われる防水塗料にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。
- ウレタン防水|柔軟性と施工性に優れる
- FRP防水|強度・耐久性に優れる
- 簡易的な塗料(シリコン・フッ素など)との違い
順にみていきましょう。
ウレタン防水|柔軟性と施工性に優れる
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作ります。
柔軟性が高いため、建物の伸縮や揺れに追従でき、ひび割れに強いのが特徴です。
また、液体を塗布して硬化させる仕組みのため、複雑な形状や段差のある屋上にも対応可能です。
施工性に優れており、工期も比較的短く済みます。
デメリットとしては、均一に仕上げるために職人の技術力が必要で、施工不良があると膨れや剥がれが起きやすい点です。
定期的なメンテナンスを前提にすれば、汎用性が高く、多くの建物に採用されています。
FRP防水|強度・耐久性に優れる
FRP防水は、ガラス繊維で補強されたポリエステル樹脂を使い、硬化させて防水層を形成する工法です。
硬化後は非常に強固で耐久性に優れ、10年以上の耐用年数が期待できます。
歩行や荷重に強いため、屋上をバルコニーやルーフテラスとして利用したい場合に適しています。
施工後すぐに硬化するため工期も短く、仕上がりも美しいのが魅力です。
強度を重視する用途に合った防水工法といえるでしょう。
簡易的な塗料(シリコン・フッ素など)との違い
屋根用のシリコン塗料やフッ素塗料は、防水性を高める効果はあるものの「完全防水」にはなりません。
これらは主に勾配屋根に使われ、屋根材を保護する役割が中心です。
陸屋根に使った場合も一時的に防水性を補強できますが、防水層そのものを形成するわけではなく、雨水が溜まりやすい構造には不向きです。
価格が安く、DIYにも利用しやすい点はメリットですが、耐久性や防水性能はウレタン防水やFRP防水に劣ります。
陸屋根・屋上の本格的な防水対策を考える場合は、簡易的な塗料との違いを理解して選ぶことが大切です。
陸屋根・屋上防水塗装の寿命とメンテナンス方法

防水塗装は一度施工すれば安心というものではなく、寿命を意識した定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
耐用年数とメンテナンスの目安を把握すれば、雨漏りを未然に防げます。
- 防水塗装の耐用年数と塗り替え時期
- トップコートによる定期メンテナンス
- 防水塗装のメリット・デメリット
順にみていきましょう。
防水塗装の耐用年数と塗り替え時期
防水塗装の耐用年数は、おおよそ10〜12年が目安とされています。
ウレタン防水やFRP防水も同様で、環境条件や施工品質によって多少の差はありますが、長期間放置すれば劣化が進行します。
ひび割れや膨れが目立ち始める前に、塗り替えをおこなうことが大切です。
理想的には5年ごとに点検を実施し、劣化サインを早めに発見して再塗装を計画的に進めることが、長く安心して住まいを守るポイントとなります。
トップコートによる定期メンテナンス
防水層を長持ちさせるためには、仕上げ材であるトップコートの定期的な塗り替えが欠かせません。
トップコートは、紫外線や雨水から防水層を保護する役割を担っており、劣化すると防水層が直接ダメージを受けて寿命が縮まります。
目安は3〜5年ごとの塗り替えで、比較的低コストで実施できる点もメリットです。
こまめにメンテナンスをおこなえば防水層自体の劣化を防ぎ、結果的に工事の総費用を抑えることにもつながるでしょう。
トップコートに関する詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】【シート防水|トップコート塗り替えの基礎知識】塗料の種類や費用を徹底チェック!
防水塗装のメリット・デメリット
防水塗装には、施工性とコスト面で大きなメリットがあります。
液状の材料を塗布するため複雑な形状の屋上にも対応しやすく、他の防水工法と比べて費用を抑えやすいです。
さらに工期も短めで済むため、建物の利用者にとって負担が少ない点も魅力です。
一方で、管理を怠れば劣化が急速に進むというデメリットがあります。
トップコートを塗り替えずに放置すると、ひび割れや膨れが生じやすくなり、雨漏りのリスクが高まります。
加えて、防水塗装だけで完全に雨水を遮断するのは難しく、定期点検と計画的なメンテナンスが前提となる点を理解しておく必要があります。
陸屋根・屋上防水塗装の費用相場と他工法の比較

ここでは防水塗装の費用目安と、代表的なシート防水・アスファルト防水との違いを比較して解説します。
- 防水塗装にかかる費用の目安
- シート防水・アスファルト防水との比較
順にみていきましょう。
防水塗装にかかる費用の目安
陸屋根や屋上の防水塗装にかかる費用は、1平米あたり4,000〜7,000円程度が相場です。
30平米のベランダならおおよそ12万〜21万円前後、100平米の屋上なら40万〜70万円程度を見込む必要があります。
材料費だけでなく、下地補修やトップコートの有無によっても価格は変わります。
防水塗装は比較的コストを抑えやすい工法ですが、耐用年数は10年前後のため、長期的にみると定期的なメンテナンス費用の考慮も必要です。
シート防水・アスファルト防水との比較
防水工事には防水塗装以外にも、シート防水やアスファルト防水があります。
それぞれの費用と耐用年数の比較は、以下のとおりです。
|
工法 |
費用相場(1平米あたり) |
耐用年数 |
特徴 |
|---|---|---|---|
|
防水塗装(塗布防水) |
4,000〜7,000円 |
約10〜12年 |
施工性に優れ、コストも比較的安い |
|
シート防水 |
3,500〜7,000円 |
約10〜20年 |
材料品質が安定、継ぎ目からの劣化に注意 |
|
アスファルト防水 |
6,000〜9,000円 |
約15〜20年 |
厚みがあり耐久性に優れるが工期長め |
防水塗装は初期費用を抑えやすい一方で、耐久性や寿命の面では他工法に劣る場合があります。
建物の用途や、予算を踏まえての工法選択が重要です。
陸屋根の防水工事に関する詳しい情報は、以下の記事をチェックしてください。
【関連記事】陸屋根の防水工事の種類と費用を抑える方法・防水効果を長持ちさせるポイントを解説
勾配屋根・陸屋根の防水塗料はDIYできる?

防水塗料はホームセンターでも入手できますが、屋根の種類によってDIYの可否は大きく異なります。
- 勾配屋根ならDIY塗装は可能だが推奨しない
- 陸屋根はDIYに不向き|応急処置程度なら可能
順に説明します。
勾配屋根ならDIY塗装は可能だが推奨しない
勾配屋根の場合、スレートやトタン屋根であればホームセンターで販売されている屋根用塗料を使ってDIY塗装をおこなうことは可能です。
表面の劣化を防ぎ、防水性をある程度高められる効果が期待できます。
ただし高所での作業は非常に危険であり、転落事故のリスクを伴います。
また塗装による防水効果は一時的なものであり、根本的な雨漏り対策にはつながりません。
安全性と仕上がりを考えると、DIYはあくまで補助的な手段と理解し、可能であれば専門業者に依頼する方が安心です。
陸屋根はDIYに不向き|応急処置程度なら可能
陸屋根や屋上の防水は、ウレタンやFRPといった塗布防水を正しく施工する必要があり、DIYで完全に仕上げるのは難しいのが実情です。
下地処理や防水層の厚み管理など、専門的な技術が必要で、施工不良があると雨漏りを悪化させる恐れがあります。
DIYでできるのは、ひび割れ部分に防水塗料を塗布するなどの応急処置程度です。
本格的な防水性能を求める場合は、費用や工法を比較しながら、信頼できる防水業者への依頼が確実な方法といえるでしょう。
まとめ|陸屋根・屋上の防水は専門業者に相談を

陸屋根や屋上は雨水が溜まりやすく、適切な防水塗装が欠かせません。
ウレタンやFRPによる防水塗装は、コストや施工性に優れる一方で、定期的なメンテナンスを怠ると効果が大きく低下します。
DIYでの応急処置は可能ですが、本格的な防水性能を維持するには専門業者の施工が確実です。
信頼できる防水業者への依頼が、長期的に安心できる住まいを守る最善の方法といえるでしょう。
株式会社翔和は、防水工事の専門家です。
屋根の防水に関して気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。




