マンションで突然雨漏りが起きると「まず何をすればいいのか」「修理費用は誰が負担するのか」と不安になる人は多いでしょう。
対応を誤ると被害が広がり、損害賠償や近隣トラブルにつながるケースもあります。
マンションの雨漏りは、屋上防水や外壁の劣化、上の階の排水トラブルなど原因がさまざまで、分譲か賃貸かによって責任の所在も変わります。
そのため、正しい順序で行動し、原因を見極めることが重要です。
この記事では、雨漏りが起きたときにやるべき対応・原因別の修理内容と費用相場・損害賠償や保険の考え方までを整理し、安心して対処できるよう解説します。
マンションで雨漏りが起きたときにまずやるべき4つの対応

マンションで雨漏りが起きた場合、初動次第で被害の広がりや費用負担が大きく変わります。
慌てて自己判断せず、正しい順序で対応を進めることが重要です。
ここでは、雨漏り発生時にまず押さえておきたい4つの対応を解説します。
- 雨漏りの場所・症状を把握する
- 管理会社・オーナーに連絡する
- 応急処置で被害を広げない
- 写真・動画で証拠を残す
順にみていきましょう。
雨漏りの場所・症状を把握する
まずは、雨漏りがどこから発生しているのかを落ち着いて確認します。
天井・壁・窓枠・照明周辺など、水が漏れている位置を特定し、ポタポタ垂れるのか、にじむ程度なのかといった状態も把握しましょう。
あわせて、カビ臭や天井のシミの広がり方なども確認すると、被害の深刻度を判断しやすくなります。
症状を整理しておくことで、管理会社や専門業者へ状況を正確に伝えられ、対応の優先度も決めやすくなります。
管理会社・オーナーに連絡する
雨漏りを確認したら、速やかにおこなうべきことは、管理会社やオーナーへの連絡です。
マンションの雨漏りは、屋上や外壁など共用部分が原因となるケースが多く、個人で対応を進めると判断を誤りやすくなります。
管理会社への連絡により、原因調査の手配や修繕方法の検討、費用負担区分の確認がスムーズに進みます。
連絡が遅れると、被害拡大や責任問題につながるおそれもあるため、早めの報告が重要です。
応急処置で被害を広げない
本格的な修理まで時間がかかる場合は、応急処置で被害の拡大を防ぎます。
バケツやタオルで水を受け止め、床や家具、家電製品が濡れないよう移動させておくと安心です。
状況に応じてブルーシートやビニールで水の落下位置を誘導する方法もあります。
ただし、天井や外壁を無理に触ると被害が悪化する可能性があるため注意が必要です。
応急処置の有無で、修復費用が大きく変わることもあります。
写真・動画で証拠を残す
雨漏りの状況は、写真や動画で必ず記録しておきましょう。
水が漏れている様子や天井のシミ、床の濡れ具合などを撮影しておくと、管理会社への説明や保険申請、損害賠償の場面で役立ちます。
撮影時は、日時がわかるようにスマートフォンの設定を確認しておくと安心です。
記録を残しておくことで、後から「いつ発生したのか」「どの程度の被害だったのか」などのトラブルを防ぎやすくなります。
マンションで雨漏りが発生する4つの原因

マンションの雨漏りは、発生箇所や建物構造によって原因が異なります。
原因を誤って判断すると、無駄な修繕や再発につながりかねません。
マンションで多く見られる代表的な原因は、主に下記の4つです。
- 屋上防水層の劣化
- 外壁のひび割れ・シーリング不良
- 上の階やベランダ排水のトラブル
- 専有部分の設備不良
順に解説します。
屋上防水層の劣化
マンションで多い雨漏り原因の1つが、屋上防水層の劣化です。
防水層は経年とともに紫外線や風雨の影響を受け、ひび割れや浮きが生じやすくなります。
施工不良がある場合も、早い段階で防水性能が低下する場合があります。
劣化した部分から雨水が浸入すると、コンクリート内部を伝って室内へ漏れ出すため、発生箇所の特定が難しくなる点も特徴です。
屋上は共用部分にあたるため、管理会社や管理組合による対応が必要になります。
外壁のひび割れ・シーリング不良
外壁のひび割れやシーリングの劣化も、雨漏りの原因として多く見られます。
外壁に生じた微細な亀裂や、目地部分のシーリングが剥がれることで、そこから雨水が侵入するのです。
特に、台風や強風を伴う雨の際は、横殴りの雨が壁面に当たり、室内へ水が伝わりやすくなります。
初期段階では気付きにくく、天井や壁にシミが出てから判明するケースも少なくありません。
定期的な点検と補修が重要です。
上の階やベランダ排水のトラブル
上の階やベランダの排水トラブルが原因で、階下に雨漏りが発生する場合もあります。
排水口に落ち葉やゴミが詰まることが原因で、水があふれて室内へ浸入するのです。
また、排水管や共有部分の排水マスなどの共有設備の不具合や、防水処理の不備が重なることで被害が広がるケースも見受けられます。
原因が上階にある場合は、費用負担や責任の所在が問題になることがあるため、早めに管理会社との状況の共有が大切です。
専有部分の設備不良
給湯器や給排水管、エアコンの排水ホースなど、専有部分の設備不良によって水漏れが起きるケースもあります。
設備の老朽化や接続部の緩みが原因となり、気付かないうちに水が漏れ続けることがあります。
この場合、雨漏りと似た症状が出るため、原因の切り分けが欠かせません。
専有部分が原因と判断された場合、分譲では区分所有者、賃貸では契約内容に応じて入居者またはオーナーが費用を負担する可能性があります。
原因別に見る雨漏り修理の内容と費用相場

マンションの雨漏り修理は、原因や工法によって費用が大きく異なります。
内容を把握せずに進めると、想定以上の出費や再発につながるおそれがあります。
主な修繕内容と費用相場は、下記のとおりです。
- 屋上防水工事の費用
- 外壁補修・シーリング工事の費用
- 天井・壁など室内復旧工事の費用
- 調査費用(散水・赤外線など)
順に解説します。
屋上防水工事の費用
屋上防水工事は、雨漏り修理のなかでも費用が大きくなりやすい工事です。
ウレタン防水やシート防水など工法によって単価が異なり、目安は1平米あたり約4,000〜9,000円です。(足場代は含みません。)
部分補修で済む場合は比較的抑えられますが、劣化範囲が広いと数十万〜数百万円規模になることもあります。
屋上は共用部分に該当するため、管理組合主導で計画的に修繕を進めるケースが一般的です。
屋上や陸屋根で雨漏りが発生した際の応急措置の方法や修理費用に関する詳しい情報は、下記の関連記事をご覧ください。
【関連記事】【陸屋根の雨漏り対処法】応急措置の方法や修理費用を抑えるポイントも解説!
外壁補修・シーリング工事の費用
外壁のひび割れ補修やシーリング工事は、劣化状況に応じて内容と費用が変わります。
シーリングの打ち替えは1平米あたり約1,000〜3,000円が目安で、部分的な増し打ちで対応できる場合もあります。
一方、ひび割れが複数箇所に及ぶと、補修や塗り直しを含めてまとまった費用が必要です。
見た目以上に内部へ水が回っているケースもあるため、早めの対応が重要です。
天井・壁など室内復旧工事の費用
雨漏りが室内まで及んだ場合、天井や壁の復旧工事が必要になります。
天井材の張り替えやクロス補修、断熱材の交換などが発生し、修繕内容によって費用は大きく変動します。
注意したいのは、これらの復旧費用が雨漏り原因の修理費とは別にかかる点です。
雨漏りの根本的な原因を解消しないまま、内装のみを先に直しても再発する可能性があるため、原因の修繕を優先し、その後に室内の復旧をおこなう流れが望ましいでしょう。
調査費用(散水・赤外線など)
雨漏りの原因を特定するには、専門的な調査が欠かせません。
簡易的な目視による基本調査は1〜5万円程度が相場ですが、散水調査になると5〜15万円、ガス調査や赤外線調査では10〜30万円以上かかることもあります。
費用幅はありますが、原因を誤ると不要な修繕を繰り返すリスクがあります。
誤った修繕を避け、結果的にコストを抑えるためにも、調査の質の重視が大切です。
分譲マンションと賃貸マンションで変わる費用負担と責任の考え方

マンションの雨漏りでは、原因となった場所によって費用負担や責任の所在が変わります。
分譲か賃貸かによって判断基準も異なるため、仕組みを理解しておくことが重要です。
ここでは、代表的な考え方を整理します。
共用部分(管理組合)が原因の場合
屋上や外壁、共用部分の排水設備などが原因で雨漏りが発生した場合、管理組合の責任で修繕するケースが多くなります。
これらは建物全体で使用する共用部分にあたるため、特定の住戸が費用を負担することは原則ありません。
分譲マンションでも賃貸マンションでも、この考え方は共通しています。
雨漏りを確認した時点で管理会社へ連絡し、管理組合主導で原因調査や修繕を進めてもらうことが、トラブルを避けるポイントになります。
専有部分(区分所有者)が原因の場合
住戸内の給排水設備や設備機器の不具合が原因となった場合は、区分所有者の費用負担となることが一般的です。
専有部分は各所有者の管理範囲に含まれるため、修繕責任も個人に帰属します。
ただし、雨漏りは原因の特定が難しいケースも多く、調査結果によって負担者が変わる点に注意が必要です。
原因を正確に突き止めることが、費用負担の判断に直結します。
賃貸での大家・入居者の負担区分
賃貸マンションでは、建物や設備の経年劣化による不具合は大家が負担するのが基本です。
一方、入居者の不注意や不適切な使用によって雨漏りが発生した場合は、入居者側が修繕費を負担する場合もあります。
例えば、排水口の詰まりを放置した結果の水漏れなどが該当します。
ただし、実際の判断は賃貸借契約の内容や特約によって左右されるため、契約書の確認が欠かせません。
上の階の住人に過失があるケース
洗濯機のホース外れや水の出しっぱなしなど、上の階の住人に明確な過失がある場合は、その住人が賠償責任を負う可能性があります。
この場合、修理費用だけでなく、階下住戸の家具や家電などの家財損害が補償対象になる場合もあります。
責任の有無を巡ってトラブルになりやすいため、管理会社を通じて状況を整理し、必要に応じて保険の利用も検討すると安心です。
雨漏りによる損害賠償と保険適用のポイント

マンションの雨漏りは、修繕だけでなく損害賠償や保険の問題に発展するケースがあります。
責任の所在や、補償範囲を誤解すると、思わぬ負担を抱えかねません。
ここでは、賠償責任が生じる場面と保険活用のポイントを4つ解説します。
- 賠償責任が発生する代表的なケース
- 自分が責任を負うことになる場合
- 火災保険・個人賠償責任保険が使えるケースがある
- 放置すると被害額が増えるリスクがある
順にみていきましょう。
賠償責任が発生する代表的なケース
雨漏りで損害賠償が発生するのは、原因が特定の当事者にある場合です。
例えば、上の階で洗濯機の水をあふれさせた、給排水設備の管理を怠ったなどのケースでは、過失が認められやすくなります。
被害が階下に及んだ場合、天井や壁の修理費だけでなく、家具や家電などの家財損害まで賠償を求められることもあります。
原因が明確なほど責任の所在もはっきりするため、早い時期での状況整理が重要になるでしょう。
自分が責任を負うことになる場合
自分の住戸が原因で雨漏りを引き起こした場合、責任を負う可能性があります。
専有部分の給排水設備や機器の劣化を放置した結果、水漏れが発生したケースなどが代表例です。
また、雨漏りに気付いていながら対応を遅らせた場合、過失と判断されることもあります。
初期段階で管理会社や専門業者へ連絡しなかったことが、責任を重くする要因になる点には注意が必要です。
火災保険・個人賠償責任保険が使えるケースがある
雨漏りによる損害は、加入している保険で補償されるケースがあります。
火災保険では、天井や壁の復旧費用に加え、家財の破損が補償対象となる場合もあります。
さらに、個人賠償責任保険を利用すれば、他人に与えた損害をカバーできることも少なくありません。
ただし、建物そのものの修繕費がすべて保険で賄われるわけではない点には注意が必要です。
補償範囲と自己負担部分を事前に把握しておくと、後のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
放置すると被害額が増えるリスクがある
雨漏りを放置すると、被害は時間の経過とともに拡大していきます。
建材の腐食やカビの発生、断熱材の劣化が進行すると、修復費用が想定以上に膨らむおそれがあります。
さらに、被害範囲が広がれば、損害賠償の対象が増える可能性も否定できません。
小さな雨シミであっても軽視せず、早い段階での対応が、結果的に負担を抑える近道となるでしょう。
マンションで雨漏りが起きたときの2つのプロセス

マンションの雨漏り対応は、順序を誤らないことが重要です。
最初の連絡先や調査の進め方を間違えると、解決までに時間がかかるおそれがあります。
ここでは、雨漏り発生時に押さえておきたい2つの基本的なプロセスを解説します。
- まず管理会社・管理組合に状況を報告する
- 必要に応じて専門の防水業者へ修繕を依頼する
順番にみていきましょう。
まず管理会社・管理組合に状況を報告する
マンションで雨漏りが起きた場合、最初に連絡すべき相手は管理会社や管理組合です。
屋上や外壁など共用部分が原因となるケースが多く、個人で判断すると対応を誤りやすくなります。
管理会社へ連絡すれば、現地確認や原因調査の手配をおこなってもらえるほか、共用部分か専有部分かの切り分けも任せられます。
初動で正しい窓口に報告しておくことで、費用負担や責任を巡るトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
必要に応じて専門の防水業者へ修繕を依頼する
管理会社の対応範囲外だった場合や、原因が特定できないときは、専門の防水業者へ相談しましょう。
防水業者であれば、散水調査や赤外線調査などを通じて原因を詳しく確認し、建物の状態に合った修繕方法を提案してもらえます。
また、再発防止を見据えた工法選定ができる点も大きなメリットです。
応急的な修理だけで終わらせず、長期的な視点での対策が重要になります。
まとめ|マンションの雨漏りは早期対応がカギ!原因特定と専門業者の調査が重要

マンションの雨漏りは、原因の見極めと初動対応が、その後の費用やトラブルを大きく左右します。
まずは管理会社へ連絡し、状況を正確に共有したうえで、共用部分か専有部分かの整理が重要です。
原因が不明確なまま修繕を進めると再発のリスクが高まるため、専門的な調査が欠かせません。
株式会社翔和では、調査結果を踏まえ、建物ごとに適した防水工法で修繕に対応しています。
早期の調査と的確な対応を重ねることで、被害の拡大を防ぎ、長く安心して暮らせる住環境づくりにつなげていくことが大切です。




