陸屋根の建物に太陽光発電設備を設置したいと考えたとき「本当に設置できるのか」「雨漏りの心配はないのか」と、不安を感じる人は少なくありません。
陸屋根は勾配のある屋根と構造が異なるため、太陽光発電設備の設置方法や防水への影響を正しく理解しておかないと、思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
この記事では、陸屋根に太陽光発電設備を設置できるかどうかをはじめ、メリットやデメリット・架台の種類・防水リスクを抑えるポイント・費用や補助金の考え方までを解説します。
後悔しないために知っておきたい注意点もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
防水に関して気になる方は、株式会社翔和へお気軽にご相談ください。
陸屋根に太陽光は設置できる?

陸屋根に太陽光発電設備を設置できるのかは、多くの人が最初に抱く疑問です。
結論から言えば、設置は可能ですが、すべての陸屋根が適しているわけではありません。
屋根の状態や構造・施工方法によって、可否やリスクが変わる点を理解しておきましょう。
陸屋根のメリットやデメリットなど、詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】陸屋根で後悔しないためには?メリット・デメリットを知って適切な対処をしよう!
陸屋根でも太陽光パネルの設置は可能
陸屋根でも、太陽光パネルの設置は可能です。
勾配のない屋根であっても、架台を使えば角度や向きを調整でき、発電に必要な条件を満たせます。
ただし、設置できるかどうかは屋根の状態次第です。
防水層が劣化している場合や、過去に雨漏りが発生している場合は、太陽光パネルを設置することでトラブルが顕在化するおそれがあります。
また、施工方法も重要なポイントです。
防水層を貫通させる工法を選ぶと、雨漏りリスクが高まります。
陸屋根では、防水性能を維持できる施工を前提に検討する必要があります。
太陽光設置に向いている陸屋根・向いていない陸屋根
太陽光の設置に向いている陸屋根は、防水層の状態が良好で、築年数が比較的浅い建物です。
防水改修の必要がなく、構造や耐荷重に余裕がある場合は、設置後のリスクも抑えやすくなります。
一方で注意が必要なのは、防水の耐用年数が近づいている陸屋根や、構造確認がおこなわれていない建物です。
このようなケースでは、太陽光設置後に防水改修が必要となり、撤去や再設置の費用が発生する可能性があります。
築年数が古い建物や木造住宅では、事前に専門家による確認を受けることが欠かせません。
陸屋根に太陽光を設置する3つのメリット

陸屋根は勾配のある屋根と比べ、太陽光パネルの設置自由度が高い点が特徴です。
屋根形状に左右されにくく、配置や角度を柔軟に調整できます。
陸屋根に太陽光を設置する具体的なメリットは、主に下記の3点です。
- パネルの角度や向きを自由に調整しやすい
- 屋根形状の制約が少なく設置しやすい
- 影の影響を受けにくい
順にみていきましょう。
パネルの角度や向きを自由に調整しやすい
陸屋根は勾配がないため、太陽光パネルの角度や向きを任意に設定しやすい点が特徴です。
南向きに固定されやすい切妻屋根などと異なり、日射条件に合わせて最適な角度を確保できます。
これにより、年間を通じた発電効率を高めやすくなります。
また、周囲の建物や設備の影響を考慮しながら配置を調整できる点も利点です。
設置後に条件が変わった場合でも、架台を活用すればレイアウトを見直せる可能性があります。
柔軟な設計ができる点は、陸屋根ならではの強みと言えるでしょう。
屋根形状の制約が少なく設置しやすい
陸屋根は、切妻屋根や片流れ屋根と比べ、形状の制約を受けにくい構造です。
屋根面がフラットなため、パネルの配置計画を立てやすく、複雑な屋根形状でも対応しやすくなります。
設備や配管がある場合でも、架台を使って避けながらレイアウトを組める点がメリットです。
設置スペースを有効活用しやすく、パネル枚数の調整もしやすいでしょう。
屋根形状に左右されず設置できる点は、陸屋根が太陽光発電設備に向いている理由の1つです。
影の影響を受けにくい
陸屋根は周囲に遮蔽物が少ないケースが多く、太陽光パネルが影の影響を受けにくい傾向があります。
影がかかる時間帯が短いと、発電量の低下を抑えやすくなります。
また、パネル同士の影も調整しやすく、発電量のムラが出にくい点も特徴です。
安定した発電が期待できることは、長期的な運用を考えるうえで重要なポイントと言えるでしょう。
設置計画の段階で影の影響を考慮しやすい点も、陸屋根のメリットです。
防水に関して気になる方は、株式会社翔和へお気軽にご相談ください。
陸屋根に太陽光を設置するデメリットと注意点

陸屋根は太陽光発電設備を設置しやすい一方で、防水や構造面で注意すべき点もあります。
これらを把握せずに進めると、雨漏りや建物への負担などのトラブルにつながりかねません。
代表的なデメリットと、その対策となる注意点は下記のとおりです。
- 防水層の損傷による雨漏りリスクに注意する
- 風によるパネルの飛散リスクがあるため耐風対策をおこなう
- 重量負荷で建物に負担がかかるため構造・耐荷重を事前に確認する
- 防水改修がやりにくくなるため、設置タイミングを慎重に判断する
順に解説します。
防水層の損傷による雨漏りリスクに注意する
陸屋根に太陽光発電設備を設置する際、もっとも注意したいのが防水層の損傷です。
防水層を傷つけてしまうと、雨水が浸入しやすくなり、雨漏りの原因になります。
特に、架台を固定するために防水層を貫通させる工法は、リスクが高まりやすい点に注意が必要です。
そのため、陸屋根では防水層を貫通させない施工方法を選ぶことが重要になります。
防水性能を維持したまま設置できる工法を採用すれば、将来的なトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
風によるパネルの飛散リスクがあるため耐風対策をおこなう
陸屋根は勾配がない分、風の影響を直接受けやすい特徴があります。
強風時には太陽光パネルがあおられ、最悪の場合は飛散するおそれもあります。
このようなリスクを抑えるためには、耐風設計が施された架台を選ぶことが欠かせません。
また、固定方法や荷重計算を適切におこない、設置環境に合った対策を講じる必要があります。
地域の風況や建物の高さも考慮しながら、安全性を優先した設計を心がけることが大切です。
重量負荷で建物に負担がかかるため構造・耐荷重を事前に確認する
太陽光パネルや架台には一定の重量があり、陸屋根や建物全体に負担がかかります。
特に、木造住宅や築年数が経過している建物では、耐荷重に余裕がないケースも考えられます。
そのため、設置前には構造計算や耐荷重の確認をおこない、安全性の確保が必須です。
十分な確認をせずに設置すると、屋根のたわみや建物への悪影響につながる可能性があります。
事前のチェックを徹底すれば、安心して太陽光発電設備を運用できるでしょう。
防水改修がやりにくくなるため、設置タイミングを慎重に判断する
太陽光発電設備を設置すると、防水改修の際にパネルや架台を一度撤去しなければならない場合があるため注意が必要です。
その結果、改修費用や工期が余分にかかる可能性が出てきます。
防水の耐用年数が近づいている陸屋根では、先に防水改修を済ませてから太陽光発電設備を設置したほうが合理的な場合もあります。
防水層の劣化状況や将来的な改修計画を踏まえ、設置タイミングを慎重に判断しましょう。
陸屋根の太陽光設置で使われる架台の種類と特徴

陸屋根に太陽光発電設備を設置する際は、屋根形状に合った架台選びが重要です。
架台の種類によって、防水リスクや施工方法、将来のメンテナンス性が大きく変わります。
ここでは、陸屋根の太陽光設置で使われる架台の種類と特徴を紹介します。
- アンカーレス架台
- 固定式架台
- 置き基礎型架台
- 陸屋根ではアンカーレスが選ばれやすい理由
順にみていきましょう。
アンカーレス架台|穴を開けずに固定する方法
アンカーレス架台は、屋根に穴を開けずに太陽光パネルを固定する工法です。
防水層を貫通させないため、雨漏りリスクを抑えやすい点が大きな特長です。
陸屋根は、防水性能の維持が重要なため、防水層を傷つけにくいアンカーレス架台は相性が良いとされています。
ウエイトや架台構造によって風への対策もおこなわれており、防水と安全性を両立しやすい方法です。
防水重視で太陽光発電設備を検討する場合、有力な選択肢となるでしょう。
固定式架台|屋根に直接固定する方法
固定式架台は、屋根にアンカーを打ち込み、太陽光パネルを強固に固定する方法です。
しっかりとした固定力が得られる反面、防水層を貫通するため雨漏りリスクが高まりやすい点に注意が必要です。
施工時には、防水処理を丁寧に行い、適切な止水対策を講じることが欠かせません。
陸屋根では、防水への影響が大きくなりやすいため、固定式架台を採用する場合は、防水工事との連携や施工精度が重要になります。
置き基礎型架台|コンクリートウエイト方式
置き基礎型架台は、コンクリートウエイトの重さでパネルを固定する方式です。
屋根に直接穴を開けない点ではアンカーレスに近いものの、重量が大きくなるため建物への負担には注意が必要です。
また、ウエイトの設置状況によっては防水層に局所的な圧力がかかるケースもあります。
施工時には、荷重分散や防水層への影響を十分に考慮することが大切です。
強度と安全性を確保しつつ、構造条件に合った設計が求められます。
陸屋根ではアンカーレスが選ばれやすい理由
陸屋根では、防水層を守ることが最優先となるため、アンカーレス架台が選ばれやすい傾向にあります。
防水層を貫通しないことで雨漏りリスクを抑えられ、将来的な防水改修もしやすくなるからです。
太陽光発電設備と防水は、長期的な視点で考える必要があり、防水性能を維持しながら設置できる点は大きなメリットです。
防水重視の考え方と相性が良いアンカーレス架台は、陸屋根で太陽光を検討する際の有力な選択肢と言えるでしょう。
陸屋根に太陽光を設置する際に防水トラブルを防ぐ方法

陸屋根に太陽光発電設備を設置する際は、発電設備だけでなく、防水への配慮が欠かせません。
防水トラブルの多くは、事前確認や判断不足が原因です。
設置前に押さえておきたい防水面のチェックポイントを整理し、長期的に安心できる太陽光設置につなげましょう。
既存防水の種類(FRP・シート・ウレタン)を把握する
陸屋根の防水には、FRP防水・シート防水・ウレタン防水など複数の種類があります。
※株式会社翔和の、防水工事の事例はこちらをご覧ください。
それぞれ耐久性や柔軟性、施工方法が異なり、太陽光発電設備の設置方法との相性にも影響します。
例えば、FRP防水は硬質で傷が入りやすく、シート防水は継ぎ目への配慮が必要です。
防水の種類を把握せずに施工を進めると、想定外の劣化や雨漏りにつながるおそれがあります。
まずは既存防水の種類を正確に把握することが、防水トラブル回避の第一歩です。
陸屋根の防水工事の種類や費用など、詳しい情報は下記記事をご覧ください。
【関連記事】陸屋根の防水工事の種類と費用を抑える方法・防水効果を長持ちさせるポイントを解説
太陽光設置前に防水層の劣化状態を確認する
防水層が劣化した状態で太陽光発電設備を設置すると、施工後に雨漏りが発生するリスクが高まります。
表面のひび割れや膨れ、防水層の浮きなどは、見た目では判断しづらいケースも少なくありません。
太陽光発電設備を設置してから不具合が見つかると、撤去や再施工が必要になり、余計な費用や手間がかかります。
事前に防水層の状態を確認し、必要に応じて改修を検討すれば、長期的なトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
太陽光と相性の良い防水工法を選ぶ
太陽光発電設備の設置では、防水工法との相性を考えた選択が重要です。
防水層を貫通しない施工や、将来的な改修がしやすい工法を選ぶことで、トラブルのリスクを抑えられます。
短期的な施工のしやすさだけで判断すると、数年後に防水改修が難しくなる場合もあります。
太陽光発電設備と防水は長期間共存する設備のため、将来のメンテナンスまで見据えた工法選びが、安心につながるポイントと言えるでしょう。
太陽光設置前に防水の専門家にも相談する
太陽光発電設備業者だけで設置計画を進めると、防水面の判断が不十分になることがあります。
太陽光発電設備に詳しくても、防水の劣化状況や改修タイミングまでは正確に見極められないケースがあるためです。
防水の専門家に相談すれば、屋根の状態に合った施工方法や注意点を把握しやすくなります。
防水と太陽光発電設備の両面からの判断により、雨漏りリスクを抑えた安全な設置計画が立てやすくなるでしょう。
太陽光設置の計画を進める前に、ぜひ1度株式会社翔和へご相談ください。
陸屋根に太陽光を設置する費用と補助金の目安

陸屋根への太陽光発電設備設置には、本体費用に加えて架台・防水対策などの工事費用がかかります。
費用の幅が大きい理由や、架台・防水改修費用の傾向、国や自治体の補助金の考え方も知っておくことが大切です。
陸屋根の太陽光設置費用の相場
太陽光発電システムの設置費用はシステムの容量や構成で大きく変わり、戸建住宅の平均では総額で数百万円になる場合が多いです。
経済産業省のデータによると、システム容量1kWあたり設置費用で、約28.6(新築)〜32.6万円(既築)が相場です。
ただし、屋根形状や工事の複雑さ、防水処理の追加などによって総費用は幅があります。
また、架台や配線工事、ブレーカー改修などの付帯工事費も合算されるため、相見積もりを取りながら費用差を理解しましょう。
架台の種類による費用の違い
架台費用は、使用する材料や固定方法によって異なります。
屋根上設置用の架台は、材料費や施工工数がかさむと、それだけ費用が高くなるでしょう。
架台そのものの資材費が1kWあたり数万円程度とされていますが、架台の種類や屋根形状によって価格が上下します。
単に「安いから」という理由だけで架台を選ぶと、防水や強風対策が不十分になりやすく、後々の補修費用や追加工事でコスト増につながることがある点にも注意が必要です。
防水改修が必要な場合の追加費用
既存防水の状態が劣化している場合、太陽光発電設備設置前に防水改修が必要になることがあります。
防水改修には材料費や施工費に加え、既存防水層の撤去や下地処理費などがかかるため、総費用が大きく上がる原因になります。
長期的な安心を得るためには、適切な防水工事を先に実施したうえで太陽光パネルを載せることが必要です。
初期費用は増えますが、雨漏りリスクを軽減できるという観点でも大きなメリットがあります。
防水と並行して太陽光発電設備を計画する場合は、費用構成を丁寧に確認しましょう。
陸屋根の劣化のサインや防水工法、防水工事の費用についての詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】陸屋根メンテナンスのすべて|劣化のサインから防水工法・費用・DIYの注意点まで解説
国や自治体の補助金制度の考え方
日本では太陽光発電そのものへの国単独の補助金は縮小傾向ですが、自治体ごとに設置費用を補助する制度があり、併用できる場合があります。
2026年度には、設置容量に応じた補助や、陸屋根用架台・防水工事費用への上乗せ補助がある例も紹介されており、1kWあたり一定額が支給される場合があります。
補助金制度は年度や自治体によって内容が異なるため、申請条件や募集期間、申請方法を各地域の公式サイトで確認することが大切です。
最新の情報を把握し、活用できる制度を検討すれば、費用負担を抑えられるでしょう。
陸屋根に太陽光を設置する際によくある質問

ここでは、陸屋根に太陽光発電設備を設置する際によくある質問を5つ紹介します。
- 木造住宅の陸屋根でも太陽光は設置できる?
- アンカーレス架台は本当に安全?
- 強風・台風・積雪地域でも問題ない?
- 防水の寿命は短くならない?
- 防水工事と太陽光工事は同時にできる?
順にみていきましょう。
木造住宅の陸屋根でも太陽光は設置できる?
結論として、木造住宅の陸屋根でも太陽光の設置は可能です。
ただし、鉄筋コンクリート造に比べて構造耐力に差があるため、事前の確認が欠かせません。
特に重要なのは、屋根の耐荷重や梁・柱の構造です。
設計図の確認や構造計算をおこない、安全性を確保したうえで計画を進める必要があります。
アンカーレス架台は本当に安全?
アンカーレス架台は、正しく設計・施工されていれば安全性の高い工法です。
コンクリートウエイトなどで荷重を分散させ、風圧や揚力に耐える設計が前提となります。
一方で、荷重計算や耐風設計が不十分だとリスクが高まります。
実績のある製品と施工業者を選ぶことが重要です。
強風・台風・積雪地域でも問題ない?
強風や積雪が多い地域でも、条件を満たせば設置できるケースは少なくありません。
地域ごとに想定される風圧や積雪量に合わせた設計をおこなうことで、安全性を高められます。
耐風・耐雪仕様の架台を選び、設計基準を満たす施工をおこなうことが大切です。
防水の寿命は短くならない?
防水の寿命は、太陽光発電設備を設置するかどうかよりも施工方法によって左右されます。
防水層を貫通しない工法を選び、荷重や摩擦に配慮すれば、寿命が極端に短くなる心配は少ないです。
防水の状態を確認したうえで、適切に施工すれば長期的な安心につながります。
防水工事と太陽光工事は同時にできる?
同時施工は可能ですが、慎重な計画が必要です。
工程管理が不十分だと、防水不良や施工ミスにつながるおそれがあります。
防水を先に仕上げてから太陽光発電設備を設置するなど、段階的に進めた方が安心できる場合も多いです。
両工事の連携体制を確認しましょう。
まとめ|陸屋根に太陽光を設置するなら防水対策が成功のカギ

陸屋根でも太陽光パネルの設置は可能ですが、成功の分かれ目は防水対策にあります。
陸屋根は形状の自由度が高く、発電効率を高めやすい一方で、防水層の損傷や耐風・耐荷重への配慮が欠かせません。
設置前には屋根の構造や防水の種類・劣化状況を確認し、将来の防水改修まで見据えた計画が重要です。
太陽光発電設備業者だけで判断せず、防水の専門家の視点を取り入れることで、雨漏りリスクを大きく抑えられます。
陸屋根の防水や改修に不安がある場合は、防水工事を専門とする株式会社翔和へぜひお気軽にご相談ください。




